経産省を早期退職。Iターンでスローライフ。イタリアンレストラン「フェリーチェ」オーナー 関谷耕司さん

「老後は自然に囲まれて暮らしたい」。

田舎で好きなことをやりながら暮らそうと思ったら、定年を待っていたら体力的に厳しい。それが、関谷さんが経産省を58歳で退官した理由だった。栃木県黒羽町で生まれ、小学校5年生まで野山を駆け回る環境で育った。通勤ラッシュに揉まれ、38年間国家公務員としてあらゆるストレスに晒されていた。近所付き合いなどの人間関係にも疲れた。潮時が訪れたと関谷さんは感じた。田舎暮らしの地を探すにつき、仕事で縁があった千葉県の安房勝山や外房の温暖な環境にも魅力を感じた。実際、東京から移住している方も多かった。幼い頃を過ごした栃木はどうか。那須方面を探したが、なかなか良い物件が見つからなかった。山を越え、福島県西郷村へ下っていくと「売地」の看板が目に留まった。関谷さんは、直感で「ここだ」と感じた。

イタリア料理店「フェリーチェ」を開業。

62歳。年金暮らしにはまだ早い。老後の蓄えも十分とは言えない。幸い関谷さんの奥様が長年イタリア料理の教室に通っていたので、自宅の1階で開業してみようという軽い気持ちでスタートした。ミラノやローマ、フィレンツェに行って、少しでも吸収してみようと試みたが、決して日本人の味覚とジャストフィットしない。ならばフェリーチェ流で行こうと決めた。開業当初の3ヶ月は昼夜営業していたが、山の中の店ゆえ、夜になると交通量はめっきり少なくなる。そこで、現在は基本ランチ営業で、夜は予約のみでコースを受け付けている。前菜・メイン・パスタ・ドルチェで2300円~3300円。かなりリーズナブルだが、地元の方の反応を見ると金銭感覚のギャップを感じるという。火曜・水曜定休だが12月~3月の冬期は木曜も休業という、マイペースなスローライフ実践者である。パンやチーズケーキが好評なので、一度寄られてみてはいかがだろう。

健康とコミュニケーションがキーワード。

「フェリーチェ」は県南保健所から健康応援店のお墨付きをもらっている。カロリーを押さえて塩分控えめ、地元の朝採り安全・安心野菜を使っているせいか、8割方が女性のお客様だ。また、自らの健康のためにも月2回のゴルフを楽しみにしている。「正直ゴルフを思う存分やりたかった」というのが、西郷村へ移住するきっかけにもなったと嬉しそうに語る。平日ラウンドならランチ付きで4000円。また、ゲートボールにも凝っていて、92歳・88歳・86歳・70歳代のおばあちゃんに混ざってチームを組んでいる。店のお客様と話をするのも好きなうえ、ご年配の方々とのコミュニケーションを取ることも楽しいし大切にしているという。スキー用具も一式揃えたので、近場のマウントジーンズ・スキーリゾートへと、心を躍らせる毎日。現在、自家菜園をやるための畑を探している関谷さん。ご夫妻のスローライフはますます充実していくことであろう。




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