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「農業女子」佐藤錦で、地域活性化に挑戦。
佐藤佳奈美さん(山形県東根市出身) さくらんぼの「佐藤錦」を生んだ佐藤栄助翁が先祖である家系に生まれる。 明治大学大学院農学研究科 農学専攻 博士後期課程1年 野菜園芸学研究室所属
東北人として、私は私ができることを全力でやっていきたい。
「東北には緑溢れる豊かな自然と、大地の恵みを受けた農畜産物がたくさんあります。地震に、原発になんか負けません。甚大な被害を受けている地域の方々に比べれば、山形は被害が少ないと言えますが、同じ東北人として、私は私ができることを全力でやっていきたいと思います」と語る佐藤さん。現在、明治大学大学院農学研究科の博士後期課程1年生として、トマトの茎や葉などの食物残渣を燃料に変え、たとえばビニールハウスの熱源にするなど、再生可能エネルギーであるバイオマス資源として生かすことができないかというテーマで日々研究に取り組んでいる。原子力発電所の安全性が議論されている中、エネルギー問題や農業振興への貢献を通じて東日本大震災と向き合う佐藤さんの強い気持ちを改めて感じることができた。1トンのトマトの果実が収穫されるとすると、同じく1トンの茎や葉が処分されるという。その茎や葉には抗菌性があり、これを生かした抗菌剤の研究も行っている。環境にやさしい「生物農薬」として活用され、抗菌成分を抜いた残渣はペレット化して燃料となる。いずれは、故郷のさくらんぼ栽培にも応用したいと意気盛んだ。
佐藤錦という誇りを胸に、将来は兄弟と会社を盛り上げたい。
佐藤さんのお父様が代表である(有)佐藤錦では惣菜や弁当の製造・販売・配送とネットショップを通じて佐藤錦をはじめ紅秀峰、大将錦、南陽、ナポレオン、月山錦などの山形のさくらんぼや自社開発したさくらんぼスイーツ、メロン、尾花沢すいか、桃、ぶどう等のフルーツ、だだちゃ豆、漬物、地酒(日本酒・焼酎・ワイン)等の販売を行っている。佐藤さんは研究者の道を選んだ。弟さん二人はそれぞれ調理師専門学校と大学で経営学を学んでいるという。これは偶然なのか、皆さん家業に通じる道へ進まれている。「将来は兄弟3人で会社を継ぎたいね」と語る佐藤さんは、まずは東京で起業して地元の東根市などの地方と東京を結ぶ架け橋となり、地域貢献したいという将来像を持っている。約90年前、先祖である佐藤栄助翁が佐藤錦を開発した家系であるという歴史を知って以来、農業の道に関心を抱き、研究者を目指している道半ば、元・農林水産省の企画官であり、地域活性化の汗かき人として活躍している木村俊昭さんと知り合うきっかけが、佐藤さんを地域活性化の道へと誘う結果となり、内にこもった研究者ではなく、どんどん外に出て人的ネットワークを広げ、さまざまな分野のエキスパートと出会い、学び、会社を経営したいという強い信念へと導いたといえる。
自分にしかない価値を生かして、地元や日本の役に立ちたい。
「先祖の佐藤栄助翁が残してくれた"佐藤錦"という、今や日本のトップブランドをより多くの人たちに知ってもらい、今以上に発展させたい」と、自分に与えられた価値に感謝し、まずは東根市の活性化のために、まだまだ生かしきれていない地域資源を掘り起こし、自らの研究で得たものを注ぎ込んでいきたいと、まっすぐに将来を見つめている。佐藤さんの趣味のひとつは読書。独学で経営学を学んでいるという。また、ファッションも大好きで、休日は新宿、渋谷、原宿、下北沢を巡るという快活な一面も持ち合わせている。そんな彼女の夢は大きく、東根市長になりたいと微笑んだ。さくらんぼを軸に、日本から世界市場へ。山形県東根市を地域活性化のモデルケースとなるようにがんばり、日本を元気にして、震災で苦しむ東北に笑顔と元気を取り戻すべく復旧・復興のお手伝いができるような人間になれるように、自らを磨き続ける日々を過ごす佐藤さんであった。